前回は新規営業の罠について書いた。
既存顧客の満足度が低いうちは、新規営業をやっても無駄。いや、新規営業はやってはいけないと。
では、何をするのか。言うまでもない。既存客の満足度を上げる活動をするのだ。問題はどうやって既存客の満足度を上げるかである。
そして、顧客の満足度を上げるためには「顧客」を定義しなければならない。これはドラッカーが言っているのだが、「私たちの顧客は誰か」の問いに答えることは事業の根幹に関わる重要なポイントであると。
だが、その問いに答えるのあはとても難しい。そして、この問いをされたとき、介護事業者のほとんどはこう答えるだろう。
顧客はデイサービスの「利用者」である。
しかし、あなたが単純にこう考えてしまうと、その他大勢の中における競争に巻き込まれてしまう。
では答えは何かというと会社ごとに違うとしかいいようがない。「利用者」が顧客である場合もあればそうでない場合もある。それは会社が定義した事業モデルによって異なるのである。
一口に顧客と言っても実は顧客は分解できる。
購買行為者(買う人)、購買受益者(買った結果利益を受ける人)、購買決定者(購入を決定する人)というように分けられる
介護で言えば、購買決定者は家族とケアマネ、購買受益者は利用者、購買行為者は家族又は利用者になる。しかも、費用負担者がさらに国(介護保険)、と自己負担に分かれるのである。
話が抽象的になってきたので、具体的に話をしよう。私の会社の例をあげたい。
例えば、当社におけるA店は顧客を「利用者家族」と「ケアマネ」と定義している。一方で、当社のB店では顧客を「ケアマネ」と「利用者本人」と定義している。
理由は事業モデルに関わるので長くなるため割愛するが、顧客を単純に「利用者」とする場合と比較して顧客満足の対象が変わってくるのだ。
例えば、顧客を「利用者家族」と「ケアマネ」と定義しているA店の例をあげよう。
まず「利用者家族」を顧客と定義すると、事業が定義される。それは例えば当社の事業は「利用者家族を介護離職から守ること」いう風に。
そうすると、そこから顧客満足の内容が導き出される。それは例えば「家族が介護の負担によって仕事に支障を来さないように最大限のサポートを受けられている状態」というような内容になるだろう。
そこまでいけば、サポートの内容を具体的に形にしていけばいい。それがサービス内容になり、そのサービス内容を磨いていくことが商品力のアップにつながる。
そして、商品力が上がれば当然顧客満足は上がる。そして、来店頻度や滞在時間が伸びて、リピーターが増えていく。
介護業界の方はよくご存じの通り、来店頻度とは週回数増加、滞在時間とは長時間利用や時間延長のことだ。つまり、客単価が上がる。
また、ここで言うリピーターとは既存利用者の担当ケアマネからの別の利用者の紹介である。
ケアマネに気に入ってもらい何度でも繰り返し使ってもらうこと=リピーターを作ること。これが商売の肝であることは介護に限らずどの商売であることはいうまでもない。
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