刺激的なタイトルである。デイサービスに限らず、人気のあるお店になるためにコンテンツは重要だと言われる。商品力が強いことが商売にとって最も重要な要素の1つである。物の本にはそう書いてある。しかし果たして本当にそうだろうか?
この点を人気のデイサービスの特徴がどこにあるかという視点で見ていきたい。
結論から言うと、最近私はこの事業において、コンテンツ自体をそれほど重視していない。それよりも誰がサービスを提供するのかが大事だと思っている。
より平たい言葉で言えば、何を提供するかより誰が提供するのかが重要だと思っている。
特に介護というサービス業では特にそうだと思っている。
なぜか。
例えば同じサービス業である飲食と比較すると分かりやすい。飲食は商品が飲食である。だから、たとえ接客がいまいちでも、おいしければいいというお客が(そんな客が実際にいるかどうかは別として)損益分岐点を超える人数だけいればその店は成立できる。
しかし、介護の場合はそうはいかない。なぜなら接客する介護スタッフこそが商品だからである。
デイサービスも競争の時代である。たくさんのFCが様々なコンテンツを用意して加盟店を探している。グーグルでちょっと検索しただけでも、カジノデイサービス、脳トレデイサービス、フィットネスデイサービス、学校デイサービス、様々なコンテンツを売りにしたデイサービスが出てくる。
そして、多くのオーナーが「儲かるかどうかは、ニーズがある魅力的なコンテンツを用意できるかどうか」にかかっていると思っている。
しかし、私はそれはコンテンツ主義の弊害だと思っている。
実際に当社もいくつかコンテンツを用意してはいるが、正直コンテンツで集客できているとは思っていない。例えば、同じコンテンツがある2店舗があった場合、必ず集客力に差が出る。そしてその違いは必ずと言っていいほどスタッフの差である。
スタッフの差というのは、スタッフの質である。そしてその差はスキルや知識ということではない。スタッフのモチベーションだったり人間性だったり、ホスピタリティだったりを指す。
そして、スタッフの質が良く保たれているためには、良いスタッフを採用するだけでは足りない。どんなに良いスタッフを採用しても離職率が高い職場では意味がない。そのような良いスタッフが定着する職場でなければならない。それはどんな職場かというと次のような職場だと思っている。
スタッフがその職場で働いて楽しいと思っている。あるいは、お客さんの役に立ててそれにやりがいを感じている、会社から大事にされている実感を持てている、仲間とチームで仕事をしているという一体感が持てている、その組織に自分は所属し歓迎されているという実感が持てている。
そういう職場である。
どんなにコンテンツが充実しているお店でもスタッフの質が良くないお店は業績も良くない。一方で単なるお預かりデイサービスであってもアクティビティがどんなにしょぼくてもスタッフの質が良いお店は業績が良いのだ。
結局、利用者も家族もそのデイサービスが何をしてくるかではなく、誰がいるのかが大事なのだ。それで通い続けるかどうかを決めているのだ。
それは私が家族やケアマネにアンケートをとったり、直接話を聞いたときにはっきり実感していることだ。
コンテンツが良いから通うという声はほとんどない。なぜ当社のデイサービスを使ってもらえるのかをヒヤリングしたときに聞こえてくるのは共通している。それは、「誰誰さんがよくしてくれるから」「皆さんがとてもやさしいから」「皆さんがとても親切に気持ちよく対応してくれるから」という声だ。
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