アンケートの効用(1)人気のデイサービスの特徴として重要なのは顧客の声に耳を傾けること(傾聴経営)

アンケート。あなたの会社では顧客からアンケートをとっているだろうか?当社ではアンケートをケアマネと利用者家族からとっている。

しかし、あまり介護業界でアンケートをとっているという話を聞いたことがない。また、利用者や家族にアンケートをとっている会社はあるがケアマネにアンケートをとっているという話はほとんど聞いたことがない。

だが、ここで言っておきたい。少なくともアンケートを1年に1度の年間計画に組み込んだほうがいいですよと。

事業とは何か?それは顧客の要望を満たすことである。要望は聞かないと分からない。そして、アンケートとは顧客の声を聞く行為である。

つまり、アンケートをとらないとは事業をしていないのと同義である。それが理論的決である。と極論すればそう言えてしまうくらい重要なことである。

だから、人気のデイサービスの特徴としてアンケートなど顧客の声を聞くという点が挙げられる。

(なお、顧客は利用者であり、ケアマネではないのではないかと思った方はこのブログの「稼働率が上がらない」の項を参考にしていただきたい。いずれ近いうちに「顧客は誰か」についてはそのテーマで公開したいと思う)

もちろん、怖いのは分かる。ひどい評価をされたらどうしようと。何より職員は嫌がることが多い。普段からいい加減な対応をしていてクレームが怖いというのは論外だが、ちゃんと対応しているつもりでも、もし悪い評価されたらどうしようと二の足を踏んでしまう。

当社でもアンケートを始めた当初はなかなか回収率が上がらなかった。そして、おせじにも人気のデイサービスと言えない事業所ほど回収率が低いのである。これは明らかにアンケートを配っていないか、回収に行っていないかである。

つまり、改善が必要な事業所で、顧客の声を最も知らなければいけない事業所ほどアンケートの結果が知れないという悪循環に陥ってしまうのである。

ここで「どうして顧客の声をきかないんだ」「アンケートを回収しろ」と号令をかけるのはたやすい。だが、経営者のあなたには知ってほしいことが2つある。

1、まず、社内においてクレームをどう定義しているのか

2、そして、アンケートが返ってこないならあなた自身が直接ケアマネのところに行ってますか?

ということである。

1の次に2の順番である。1をせずに2をやったら従業員が辞めます。

どういうことかというと、クレームとは社長にとってもそうだが、従業員にとっても嫌なものである。まず、不満を直接浴びるのはストレスがたまる。(コールセンターの時給が高いのには理由があるのだ。あれはストレス報酬なのである)そして、それだけならまだいいが社長から怒られるのである。「クレーム出しやがって責任取れ」と。

だったら、クレームなどなかったことにすればいい。クレームを出さない一番安易で簡単な方法。それはお客さんのところに行かないことである。話をきかないことである。電話がかかってきても出ないことである。そうすればなかったことにできる。

しかし、そんなお店がどうなるか。ここに書くまでもない。そんなことを繰り返したら早晩跡形もなくなるであろう。

ではどこで間違ってしまったか。もちろん、社長が「クレーム出しやがって責任取れ」と言ったからだ。では、怒らなければいいのか。それだけでは不十分だ。

なぜなら、クレームを出したらどうなるか分からないのであれば、従業員は不安だ。できるだけ報告したくない。それは大企業や役所で大掛かりな不正と隠ぺい工作が行われていることを見ても明らかだ。

だいたい、既にクレームを受けてストレスを受けているのだ。それに加えて社長から怒られるというストレスを自ら進んで受けに行きたい人がいたらもはやそれはそういうジャンルのマニアと言っていい(笑)。

しかも、怒られるだけならまだいい。降格や減棒、ひどい場合には解雇されるかもしれないのだ。評価が下がることはサラリーマンとしての死を意味する。それだけは絶対に回避したいのである。「評価を下げたくない」それは従業員の最上位の感情であることを私たち経営者は知っておかなければならない。

ではどうするか。

1、まず、社内においてクレームをどう定義しているのか

ここに戻るのである。

が、長くなったのでまた次回。

続く。

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