求人募集に応募が殺到する会社になるために、理念(ミッション、ビジョン、バリュー)が必要な理由

前回、「求人募集しても人が来ない!」の中でこの人手不足の中で求人採用にとって重要なことは会社のビジョンであると書いた。

ビジョンを見せれば人は来る。ビジョンが大事であると。

今日はビジョンについて書きたい。

会社にはビジョンが必要である。ではどうやってビジョンを作るかである。

まず理念とか、ミッションとかビジョンとは何か?私の整理では次のようになる。

〇ミッション(会社の存在意義)→ なぜ何のためにこの事業をやるのか

〇ビジョン (実現したい状態)→ 何を実現したいのか。どのような社会を作りたいのか

〇バリュー(大事にしている考え方、想い)→ どのような考え方を大事にしているか

そして、これらをまとめたものを経営理念と言う。

つまり、ミッションは会社の存在する理由であり、ビジョンは事業によって実現したい状態であり、そして、バリューはなぜそのようなミッションに至ったのか、そのような社会を実現したいと考えるのはなぜかなどを踏まえた大事にしている考え方や価値観の部分である。

例えば、当社の経営理念を抜粋すると次のようなものになる

<当社の経営理念>

創業者の想い

喜びの人生に貢献できる会社を作りたい

そのような会社を世の中に増やしたい

ミッション

1、「社員第一主義」

~当社は社員が安心と幸福と生きがいを感じられる世界で一番の場所になる~

2、「働く女性の離職0」

~働きたいのに離職を余儀なくされる女性をこの世からなくしたい。そのために、

働く女性が背負っている介護、家事、育児の負担を劇的になくすサービスを提供する~

ビジョン

1、「社員重視主義の社会の実現」

~社員重視主義の会社が増えていく社会を実現する~

2、「働く女性が幸福な社会の実現」

~働く女性の負担を社会全体で分担し、働く女性が幸せに生きられる世界の実現~

また、以下のバリュー(大事にしている価値)も抜粋する。

<バリュー>
1、働くとは「傍を楽にする」ということ
2、困難にある人に寄り添おう
3、私たちの職場を生きがいのある安全な場所にしていこう
4、才能を自分のためだけに使わず、人のために使おう
5、潔くあろう
6、自分たちにしかできないことをやろう
7、社会的に価値ある商品・サービスだけを提供しよう
8、利益を分け合おう
9、「売上を最大に、経費を最小に」をやめよう
10、誰もが参入するような事業はしない。誰もやらない事業だからこそやる
11、顧客の要望にはノーと言わない
12、社員は家族である。顧客と社員のどちらかを選ばなければならない場面がきたら、私たちは社員をとる
13、毎日をおもしろおかしく。毎日笑って1日を始め、笑って終わりたい。

私が会社の理念を作ったのは今からおよそ10年前である。

私は当初理念は作らなかった。なぜなら、創業当初は食うのに精いっぱいだったからである。また、食えるようになっても「理念で飯が食えるか」というのが正直な感想だった。

しかし、今思うのは事業がうまくいくのもダメになるのも社員しだいだということである。もちろん、社員というのは全てのスタッフである。正規非正規等を含めた全ての会社で働く人である。(もちろん、経営が社長次第であるのは大前提の上で)

そして、社員がこの会社でこの事業を頑張ろう。この会社をもっと良い会社にしようと思えるかどうかは、その会社が社員の幸福を本気で目指しているか、そのためにどこを目指しているか、どんな考え方を大事にしているか、つまり理念にどれだけ本気で共感してもらえるかにかかっているのだ。

そして、本気で理念に共感してもらおうと思ったら、こちらも本気で理念を実現しようと思って行動するしかないのである。本気で社員の幸福を実現しようと思って頑張っている経営者に協力しない社員がいるだろうか。

私は以前思わず、社員にこう言ったことがある。「あなたたちの幸福を本気で追及したい。だから協力してほしい」みんな真剣に聞いてくれた。そういうものなのである。

そして、理念を作ったら、それを勉強会や会社説明会や経営計画発表会や経営方針説明会などの機会を設けては繰り返し、繰り返しそれはもう何度も話をした。

私にそんな熱い想いはないという人もいるかもしれない。しかし、心配はいらない。かくいう私が熱い想いなどなかったからだ。感情がない、何を考えているか分からない。などと散々言われてきたからだ。

もっと言うと、今でもどちらかというと冷静で客観的であっさりしていて感情が表に出ないタイプだと家族からも長年いる社員からも言われている。私はもともと血圧が低く、体温も低い。だからもともと熱いタイプではないのだ。むしろ、必要以上に暑苦しい人は苦手だったりする(笑)

だが、理念を作ることで生きがいができた。こういう会社を、社会ができたら素晴らしいと思えた。それを一緒に仲間と作っていけることは素晴らしいことだと思えた。今ではよく知らない人は熱い社長だと言ってくれる人が多くなった。

しかし、本質は変わっていないのだ。ただ、理念を本気で作り、本気で伝えるようにしたら勝手に周りが熱い人だと共感してくれるようになっただけだ。

理念を作って10年、理念経営を始めて5年。やっているうちに想いは醸成されていく。最初から想いがある人などいない。(それも私は調べてみた。稲森和夫さん含め最初から理念がある人など一人もいなかった)それは後から作られていくものなのだ。

だから、創業理念など本来はないはずだ。あるのは創業者の想いだけである。それは少しずつ少しずつ理念経営をやっていくうちに自分自身が本気になっていくものだ。

そうなってくるとしめたものだ。共感してくれた人が求人応募に勝手に殺到してくれるようになる。お金をつぎ込み、面接で口説き落とすような面倒な手間はいらない。相手がこの会社に入りたい。そう言って来てくれるのである。

理念、ビジョンの作り方は次の機会に

▼私のメルマガです。良かったらどうぞ。

http://search.mag2.com/MagSearch.do?keyword=0000160910