送迎ドライバーの重要性

人気のデイサービス、評価の高いデイサービスにとって、実は軽視されがちなのが送迎ドライバーである。

なぜ大事なのか。

それは、ドライバーも職員の一人だからという消極的な理由ではない。最も重要な理由それは、顧客の中で最も重要な一人である「購買決定者」=「利用者の家族」と会う唯一の存在がドライバーだからである。

つまり、送迎ドライバーの接遇に家族の意思決定がかかっているのである。

何の意思決定か。言うまでもない。

利用者があなたのデイサービスへの通所を継続するかどうかをである。

親をデイサービスに送り出す家族はデイサービスに通わない。

では、その家族がどうやってあなたのデイサービスの良しあしを判断するか。今のデイサービスが感じが良いか、親切か、丁寧かについて、誰の何を見て決めるのか。

そう。ドライバーである。ドライバーの接し方がそのデイサービスを判断する全てになるのである。

すうすると、ドライバーに求める資質や役割の定義が変わってくる。運転がうまいこと(もちろんうまいに越したことはないが)、利用者を車で問題なく送迎できることではなくなる。

では何かというと、それは、家族に「あのドライバーさんは親切で丁寧で気軽に相談できる好印象の人物だ」と思ってもらえるかどうか、そういう資質を持った人物かということが重要になってくる。

そうなってくると、採用基準も変わってくるはずだ。

しかも、ドライバーとは利用者と一番最初に接し、一番最後に接する唯一のスタッフである。ドライバーの印象はその日の第一印象、そして最後の印象となる。

例えば、最後の印象が悪かったら、どんなに介護スタッフが頑張ってケアしても、今日は嫌な印象だったで一日が終わるということである。

これは想像以上に怖いことであることが分かる。

だから、当社では送迎ドライバーの採用基準はかなり厳しい。だから時給も相場の1割以上に設定しているし、他のスタッフ同様、昇給賞与も用意している。

なぜなら、家族にとってドライバー=デイサービスの評価だからだ。

だから、私はコンサルする場合、必ずドライバーの接遇については確認する。

そして、デイサービスがドライバーに求める役割を運営会社がきちんと理解しているかどうかを測る一つの基準が実はある。

それは、厚労省の介護サービス情報公表システムである。

https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/

その中に「送迎時における居宅内介助等の実施の有無」という項目がある。意味はドライバーがただ利用者を運ぶだけではなく、必要があれば家の中に入って着替えや支度等のお手伝いをしているかどうかという項目である。

これが「なし」になっているデイサービスはドライバーを介護スタッフの一人ではなく、単に利用者を運ぶ運転手と定義している可能性がある。

もちろん、この項目が「あり」だからそれが良いデイサービスかどうかは別の問題だが、少なくともそのデイサービスの事業方針の一端は垣間見ることができる。

あなたのデイサービスの送迎ドライバーの印象。どうだろうか?

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