リハス石神井 誕生秘話~3時間デイサービスで入浴サービスをやっている理由~

当社のリハス石神井がオープンしたのは確か2014年前後だったと思います。

最初は民家で4店舗名の1日デイサービスをオープンしたものの、何の特徴もない1日デイは全く人気が出ず、一度閉店して知恵を絞りました。

そのときコンサルタントをしてくれていた堤さんという友人に「短時間リハビリデイサービス」をやろうと考えていると相談したところ、「リハビリだけじゃ特徴がない。入浴サービスもやったらどうですか?」

そう言われたことがきっかけでした。当時、デイサービス同士の競争が激しくなり、本業の通信事業も下降気味で、赤字体質になりかけていました。そのため事業の立て直しのため、集客に苦労していたので、わらにもすがる思いで入浴サービスもオプションとしてつけたというのが実は始まりでした。

ところが。。。何とリハビリよりも短時間入浴のほうがニーズがあったのです。アイデアを出してくれた堤さんには感謝感謝です。


<赤字から抜け出せない日々 ~事業意欲をなくす~>

しかし、ここでさらに問題が出てきます。そう。リハビリもお風呂も3時間でやるのは大変です。ス
タッフを多く配置しないと現場がまわらない。しかし、そうすると人件費が増えすぎて赤字に。ニーズはあるが利益が出ないのでは立ち行かなくなる。また悩む日々が始まります。

しかも、確かにニーズがあるので客数は増えるのですが、一人当たりの時間が短く、利用頻度も少ないため、一人当たりの単価が少ない。

だから、売上の伸びが遅いのです。そこで、客単価の低さを補うために客数を増やすことで補おうと営業に力を入れる。

しかし、客数を増やすと今度は事務コストが増えていきます。デイサービスは介護保険を使った公的事業なので利用者一人一人膨大な書類を作成する必要があるのです。

すると、売上の伸びは遅いのに費用はかさんでいく一方。胃が痛い日々が続きました。そして、利益のことばかり考えていることがストレスになり、仕事そのものにも身が入らなくなってきました。やる気がなくなり、事業意欲がわかないようになってきたのです。


<倒産して再起を図る社長が集まる経営合宿に参加>


そんな日々を送っていたとき、私の知人で山田さんという社長さんが私を草津温泉に誘ってくれました。温泉で経営者が集まって経営合宿するというのです。私はそれも気分転換と思い、気軽な気持ちで参加しました。

しかし、そこに集まっていたのは壮絶な過去を持つ経営者たちばかりでした。

例えば、柳さん(仮名)という人は群馬県でも有数のスーパーのチェーン企業の2代目社長だったのですが、親父さんの代の借金を返済できず300人の社員を抱えて倒産。

また金井さん(仮名)は複数の会社を経営するこれまた2代目社長だったのですが、やはり親父さんの代のバブルのときの借金が返済できずにやはり倒産。そんな人がゴロゴロいて、皆集まって新しく新規一転事業を始めるべく経営計画を作っていたのでした。


そして、その経営合宿を主催していたのが、今でも当社の経営顧問をしていただいている須田さん(ここだけはなぜか実名(笑) )という経営コンサルタントでした。


<合宿の最終日に須田さんに言われこと ~損か得か以上に大事なこと~>


「川島さん、利益はもちろん大事だよ。でも、それ以上に大事なことは川島さん自身の理念だよ」須田さんはそう言いました。そのときはピンとこなかったのですが、(何より俺の何が分かるっていうんだ、あの偉そうなおじさんはと思っていました(笑))

そこから半年、1年とやっていくうちに私の中で気持ちが固まってきました。いったん事業で利益を出すということから離れようと。損か得かということから一度離れ、この事業が誰のために何の役に立っているかを考え、役に立っていることを徹底的にやっていこうと。

そうすると、不思議なもので、お客さんが増えていきます。少しずつ売上が上がっていきます。さらに働いてくれているスタッフを大事にしよう。報いようという気持ちが沸いてきます。

毎年給与を上げられる会社にしよう。休みが多く、残業が少ない会社にしようと。そこで、年に3回以上査定するという無謀な目標を決めて、昇給賞与を実行。

最初は利益がない中から払うので利益はほとんど残りませんでしたが、昇給をし、賞与を払うごとに、いいお店になっていく感覚がありました。いいお店になると、お客さんがやめずに、少しずつ増えていきます。

始めに利益を削って職員への支払いを増やしたら、少しずつ結果がついてきました。職員の給与が増えて、利益が増える。だからさらに給与が増やせる。それで職員が喜んでくれて、お客さんを大事にしてくれる。


だからお客さんが増える。そのときに私は思いました。「ああそうだ。私が作りたかった会社はこうう会社だったのだ」と。

もちろん、理想にはまだまだ程遠いですが、少しずつそこに近づいていきたいと思っています。