労働分配率(人件費率、人件費のコントロール)で絶対に勘違いしてほしくないこと

まずはこの表を見て欲しい

この表を見て私は「あ、まずいな」と感じた。この表はこのブログのアクセスランキングだ。

この表からまず分かることは、人件費、すなわち人件費削減が経営の一番の関心事になっているということだ(1位はトップページなので実質的な1位は人件費)そして、次に4位の人手不足、5位以降に稼働率アップや営業、つまり売上アップということになる。

これらのランキングから分かることは、コロナで売上が下がって赤字になり、売上がどうやっても戻らないためシフトを削って利益を確保しようと考えている事業所が多いということだ。

だが、いくら利用者が減っても最低限の必要な配置人数がいないと現場は回らない。利用者が2人しかないからスタッフが1名でいいかというとそれではまわらないのだ。

にもかかわらずスタッフを削ってしまったため、残ったスタッフに負担がかかる。退職が相次ぐ。結果人手不足になる。それが4位に採用が入っている理由だ。

私が以前に適正な労働分配率は45%だと書いた。だがこれには条件がある。それは売上が損益分岐点を超え、一定以上の売上を超えた場合だ。例えば、小規模の事業所で言えば売上が少なくとも350万円を超えること

これを下回る売上で労働分配率を45%に下げてはいけない。つまり適正な労働分配率とはあくまで適正な売上が保たれていることが絶対条件なのだ。

それはそうだろう。例えば月の売上が10万円しかないのに人件費を5万円にできるかと言ったらできるわけがない。配置基準は置いておいたとしても最低限必要な人数はあるのだ。

売上が下がった。だから人件費を削るというのは絶対にやってはいけない。この場合、45%にしてはいけない。このことだけは強調しておきたい。前回私が書いた適正労働分配率を勘違いされては不幸が増えるのでここで声を大にして言っておきたい。

売上が下がる→人件費を下げる→人が退職する→サービスの質が下がる→さらに売上が下がる

このループに陥る。

売上下がったら赤字にする。これが正しい。

人を増やして赤字を増やし、サービスの質を保って、満足度を高めて、ケアマネをフォローしていく

これが正しい。

間違っても45%の労働分配率を守ってはいけない